お墓の文字に塗られている塗料が、剥がれてきたときの塗り直し方を書きます。
塗料がはげてきてみっともないなー、専門家に頼むのはお金がかかって嫌だなーという人は、是非見てください。
まずはこの字。
かなり塗料が落ちていて汚らしくなっています。
生きているから赤字なのかな…?
それからこの模様(家紋?)
金色がはげている部分があります。
今回はこの二つを直します。
まずは歯ブラシなどで、しっかりと汚れを落とします。
水をかけながらゴシゴシし、土ぼこりなどは完全に落としてください。
汚れが落ちたら、乾かします。
乾燥を早める為に、タオルやティッシュなどで拭いてもいいですが、ホコリやチリが付かないようにそっとやってください。
季節にもよりますが、夏だとかなり早く乾きます。
息を吹きかけて、溜まった水を飛ばすだけでも、十分早く乾きます。
今回使う塗料です。
共に100円ショップで調達しましたw
赤が水性、金が油性です。
墓屋の息子に聞いたところ、油性でトタンと書かれているものを使うらしいです。
ですので、今回の水性赤はチャレンジですw
しばらくして駄目そうならこの記事で訂正させてもらいます。
始めてやる人、チャレンジ精神がない人は、大人しくホームセンターで油性の「トタン」とかかれたものを買って来て下さい。
それでも、墓屋に頼むよりはずっと安上がりなんですから…
文字が乾いたら、塗料をしっかり混ぜて塗り始めます。
蓋は墓から離れて開けたほうがいいかもしれません。
勢い余って、蓋が飛んだりすると、お墓に着いてしまうかも知れません。
筆は使い捨てにするので、安いもので十分です。
ダイソーで3つで100円とかの奴で大丈夫です。
動物の毛は抜けて使いにくい場合があるので(経験済みw)、化繊の物の方がいいと思います。
こんな感じで、はみ出しを気にせずにベタベタと塗ります。
なんか赤の色合いが違いましたねw
安物だからか、水性だからか、薄い感じもします。
やっぱり、少なくとも油性にしておくべきでしたw
塗り忘れがないように、色んな角度から確認しながら、塗ってください。
塗料は基本的に薄めなくてもOKです。
ドロドロしすぎてあまりにも塗りにくい場合は、薄めてください。
(水性なら水、油性ならペイント薄め等)
たっぷりの塗料で塗ってしばらくすると、下のほうに塗料が垂れて溜まります。
この溜まった塗料はみっともないので、筆で吸い取って、取り除きます。
ティッシュで筆を何度か拭いて、その筆で余分な塗料を取っていくようにすると楽です。
塗り終わったら、しばらく乾かします。
指で触ってもべとつくだけで、指に付かないくらいに半乾きになったら、カッターではみ出た部分を取り除きます。
乾かす目安ですが、半乾きの方が楽にはがせます、しかし、はがした塗料が文字内部にくっついたりして難しいです。
完全に乾いてしまうと、カッターで剥がす時に文字本体の塗料も剥がれてしまう恐れがあります。
とは言っても、かなり乾かしても大丈夫なので、始めてやる人や不器用な人は、はがした塗料が息で吹き飛ばせる位に乾かしてから、はがし始めるといいと思います。
カッターを押し当てて余分な塗料を削ると、こんな感じで綺麗にはみ出した部分だけが削れます。
(子の下の跳ねの部分)
カッターでも字全体を綺麗にして、ひとまず完成です。
細かい傷などに入り込んだ塗料は、カッターでは取れないので、ペイント薄め液などの溶剤で落とします。
この文字はめんどくさいのでカッターだけです。
塗料が薄いと感じたので、2度塗りしました。
2度塗りすることによって厚みが出て、透けていた地(墓石)も見えにくくなります。
ただし、普通の塗料(ホームセンターで油性のトタン)を使って、薄めすぎない様に普通に塗れば、2度塗りはしなくてもいいと思います。
以上で終了です。
金色の模様の方は、写真を撮るのを忘れてましたw
こっちの方が綺麗に仕上がっていたので、少し残念です。
今回、赤4文字(2度塗り)と金模様2つ(1度塗り)で1時間強の時間がかかりました。
始めてやる人はもう少し時間がかかると思います。
最後のおまけ。
こいつは去年塗った奴です。
ホームセンターで買った黒の油性を使いました。
丸1年たっても剥がれる様子はありません。
砂埃が付いてみっともないですが、まったくはがれていないのがわかると思います。
元は一番上の「子」よりも剥がれていたのを塗り直した物です。
※追記(2011.8.13)
塗料が初めて剥がれました。
塗料の耐久性について感じた事を、簡単にまとめます。
まず、ホームセンターで買った黒ですが、普通にブラシで擦る程度であれば、3年以上は持ちそうです。
しかし、洗剤などを使うともっと短くなります。
特にカビとりハイター等の浸透系の薬剤は使わないことをお勧めします。
このハイターをかけた所だけが、剥がれました。
逆に、塗り直すために古い塗料をある程度落としたい場合には、有効かも知れません。
水性塗料と油性塗料の違いは未だわかりませんが、おそらくよく言われているように油性の方が強いと思われます。
以下、感覚的なものですが簡単にまとめるとこのようになります。
塗料の選定、手入れの仕方の参考にでもしてください。
[ハイターなどの洗剤を使った場合]
油性:3年以下、水性:3年以下
[洗剤は使わずに、ブラシでゴシゴシ強く洗った場合]
油性:5年程度、水性:3年程度
[ブラシで優しくするか、ブラシも使わない場合]
油性:5年以上、水性:3年以上
+油性は水性よりも強いと言われている。
+同じ油性でも、100円ショップのものよりもホームセンターの物の方が、耐候剤などが入って耐久性はあると思う。
+剥がれれば塗りなおせば済むだけの話だが、手間等を考えるとホームセンターで買った方が良い。
※追記(2013.7.17)
塗り直しをしました。
今回行った手順をupします。
ハイターでゴシゴシやられたせいで、随分剥がれてしまいました。
今回はこれを補修します。
近くで見るとこの通り、ほとんど金色が剥がれて地が見えている所があります。
まずは水でたわしを濡らして、ゴシゴシ擦って汚れを落とします。
なるべく腰のあるタワシを使います。
細かい所は歯ブラシなどもいいと思います。
本当はワイヤーブラシを使いたい所ですが、おそらく傷がつきます。
更に強力に古い塗料を落とすために、パーツクリーナーを使いました。
吹きかけながらタワシで擦ります。
最後にパーツクリーナーをたっぷり吹きかけてから乾かします。
パーツクリーナーは脱水・脱脂目的も兼ねていて、塗料の付きを良くします。
かなり古い塗料が落ちました。
これ以上落とすこともできますが、面倒なのでこの程度にしておきます。
今回使う塗料。
100円ショップの油性金色です。
フタを開ける前によく振ります。
溢れると大惨事なので、フタを開けるときは墓から離れて開けます。
缶塗料は結構開けにくいので、スプーン等の開ける道具を用意しておくといいかもしれません。
今回使う筆。
毛の種類を見たら、化繊ではなくて動物の毛でした…orz
案の定、毛が抜けて非常に使い辛い。
塗り残しがないようにぺたぺたと塗っていきます。
塗料は缶の底に沈みやすいので、毎回筆で底からかき混ぜるようにして使います。
画像中央の様に、塗っていくと塗料がたれて溜まります。
溜まった塗料はあまりよろしくないので、このように筆で吸い取ります。
キッチンペーパー等でコヨリを造って、それで吸い取ってもいいかもしれません。
吸いとったら、重ね塗りをするために乾燥させます。
2度塗りでこんな感じ。
1度塗りだと塗り残しがあったり、下地の石が薄く見えたりします。
これで3度塗りです。
今回は重厚感wを出すために3度塗りしました。
ある程度乾かしたら、カッターの刃ではみ出し部分をこそぎ落とします。
本当は半乾き状態で行う方がいいのですが、初めて行う人や不器用な方は、しっかり乾かしてから行うのがいいかと思います。
これで補修は完了です。
実際に塗料が完全に乾くのには1週間近くかかるので、それまでの間は強く擦ったりしないようにしましょう。
塗料がこれだけ余りました。
金は伸びが良くてかなり広範囲を濡れるので、この家紋程度であれば5回(3度塗り×5回)位は塗り直しができると思います。
しかし、1度開けた塗料は劣化するので、何度も古い塗料を使うのは控えます。
使った道具、費用をざっと上げておきます。
パーツクリーナー:170円くらい
油性金:100円ショップ
筆:100円ショップ
カッターの刃(代):100円ショップ
タワシ:100円ショップ
バケツ:転用
他にあると便利なもの
雑巾、新聞紙等:塗料がこぼれても大丈夫なように下に敷く
薄め液(シンナー):カッターで削れなかったはみ出しをこいつで拭き取る
キッチンペーパー:↑の拭取り用と、余分な塗料を吸い取ったり。ティッシュだと毛羽立つ
歯ブラシ:細かい所はタワシよりも使いやすい
かかった費用は600円ほどですが、筆やカッターの刃は1つしか使っていませんし、タワシなどは再度使えます。
パーツクリーナーは1/5程使ったと思います。
かかった時間は1.5時間程。
文字に比べて塗装面が細かいので、小さい面積にしては時間がかかりました。
炎天下での作業になるので、こまめに水分補給をするか、涼しい時期にやるのをお勧めします。
※再度なにかわかったら、この記事で追記として書かせてもらいます。
でも専門業者に頼むと10数万かかると聞いたので悩んでいました。
ここを見つけて良かった!
ありがとうございます!